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人を捜すことの難しさ

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先ごろ行方不明になっていた幼児が海の沖合いで発見されたというニュースを見ました。

元気な姿で発見・保護されることを願っておりましたが、残念な結果となりました。

捜索人数が150人、200人といった連日の大規模な捜索でしたが、発見したのは偶然その辺を船で通りかかった釣り人だそうです。

なぜこのような話をしているのかというと…

『人捜しは難しい』と改めて思ったからです。

私は、これまで『人捜し』を2度経験したことがあります。

1度目は17歳のとき、2度目は29歳のとき。

いずれも発見することができませんでしたけど…

目次

真夜中の人捜し

1度目の捜索は70代後半の女性でした。

私がまだ高校生だったある日の夜、富山市に住む私の母親の知人から1本の電話がはいりました。

その知人の知り合いの家のおばあちゃんが、昨日の昼間に出かけていったきり帰ってこないのだという。

当時聞いた話では、そのおばあちゃんは女学校時代から万葉集の研究をしており、高齢になった今でも越中万葉のゆかりの地によく足を運んでいたということでした。

そして

富山県高岡市(伏木地区)は万葉歌人であり万葉集の編纂に関わったとされる大伴家持おおとものやかもちが746年に国守として赴任してきた万葉故地のひとつです。

そんな才女のおばあちゃんなんだけど、たまに認知症(当時は痴ほう症と言っていたと思う)の症状がでて物事がわからなくなるらしいのです。

今思えば、そんな状態でよく1人で行かせたよねーと思うけど (^_^;)

やはり昭和って今よりおおらかな時代だったのかな?

それに

富山―高岡間は歩いて行くような距離ではないから、何かしらの交通機関を利用したんでしょうね?おそらく。

さて

7、8名ほどの人(はっきりとした人数は覚えていないけど、10名はいなかったと思う)が集まって捜し始めた時間は夜の8時頃でした。

なんでこんな視界の悪い時間に?とも思うのだが、一刻も早く捜してあげたい!という気持ちだったんだよね…みんな。

それに

もし、自分の身内が行方不明になったら昼も夜も関係なく捜し続けるよね。

それと

もうひとつ気にかかるのは、昨日の夜に雨が降ったこと。

もし

おばあちゃんが彷徨さまよっていて雨に濡れていたとしたら体温が奪われて衰弱している可能性があるしね。

子丑のくり坊

高齢なだけに心配だ

そして

おばあちゃんが行ったかもしれない、、、、、、と推測し、我々が捜しにやって来たのは二上山ふたがみやまという万葉歌にも詠まれている標高が274メートルの小さな山。

いくら小さい山とはいえ、夜に山とは…

まず、山の麓から捜し始める。

山すそには墓地があって、その側を懐中電灯だけを頼りに捜してまわる。

街灯もなく月も出ていない…まさに闇夜。

懐中電灯の光が当たった場所だけがその姿を浮かび上がらせる。

方向感覚が狂いそうになるほどの静寂と真っ暗闇の世界でした。

お寺の境内や、池などの落ちていそうな場所も捜す。

正直に言うと、この時…小心な17歳の私はとても怖かったのよ (>_<)

子丑のくり坊

もし池に浮いていたら…とか、変な想像ばかりしてしまう

そばにいた母親に「怖いわ…」ともらすと、私の手を握ってくれたのを覚えています。

もしかしたら50歳の今でも怖いかも…

子丑のくり坊

なんだか恥ずかしー

そして

車で山をあがって周りを捜してみますが、真っ暗過ぎて何も見えない。

下手するとこちらが遭難しそうです。

残念ながら発見できないまま、この日の捜索は終了。

大人たちは明日も引き続き捜索することになったが、私は学校があるので捜索はここまで。

帰宅すると時計の針は深夜0時30分をまわっていました。

結局 次の日も発見できず、発見されたのはそれから2日後くらいだったと思う。

ある1級河川の土手沿いを偶然通りかかったお巡りさんが、おばあちゃんの遺体を発見したそうだ。

前日に降った大雨が、土手下の生い茂った草木に隠れていたおばあちゃんを浮かび上がらせてくれたのだという。

大雨が降らなければその後も見つかっていなっかったかもしれない。

川の中で人捜し

それから12年後。

2度目の捜索は、前述のおばあちゃんが発見されたあの1級河川の、今度は川の中を捜すことになった。

当時、私はマリンショップで働いており、スキューバダイビングのインストラクターをしていました。

ゴールデンウイーク中だったか、それとも6月に入っていたのか…記憶が定かではないけど、私が消防署で実施されている応急手当普及員講習を受講して間もなかったと記憶しています。

子丑のくり坊

今こそ学んだことを生かさなくては!と意気込んでたからね

あの日は…前日まで雨が降っていて、その日も雨こそ降ってはいなかったものの、空は曇っていたと思います。

お昼過ぎに店長の携帯に川で水上バイクを楽しんでいたお客さんから電話が入りました。

友達と遊びに来ていた女子高生が川で溺れて行方不明になっているというのです。

お客さんたちも水上バイクで周辺を捜したが発見できないという。

なので

レスキューダイバーが来るまでの間、私たちに川の中を捜索して欲しいという内容でした。

私たちは直ぐに店を閉めダイビング機材を車に積み込み、急いで川へと向かいました。

川に着くと、上空では消防ヘリが捜索していて、河口側に目をやると、海は大荒れで、河口付近では川と海との境界で波しぶきを上げています。

それに

昨日までの雨で、川は黄土色に濁り、水カサも増していました。

お客さんの話からすると、女子高生が溺れて行方不明になってから今の時点で30分以上は経っているようだ。

川に潜ってすぐに発見できたとしても、かなり厳しい状況だといえます (>_<)

とにかく1秒でも早く発見し、救助しなければ!

じつはこのとき、私はすぐに女子高生を発見できるものだと思っていました。

だって、溺れた場所がわかっているのだから。

店長と私は、お客さんの水上バイクに乗せてもらい、消防ヘリの指示に従ってエントリーするポイントへと移動しました。

指定されたポイントからエントリーしたものの、川の中は想像以上に視界が悪く、30センチ先すら見えないほどのヒドく濁った状態でした。

これでは視界が悪すぎて、全く方向がつかめまません。

手もとのコンパスだけを頼りに、とにかく北(海方向)に向かって捜しました。

ただ、ひと言いいたいのは…

2人で捜索するには川は広すぎる!

定期的に浮上して状況確認と消防ヘリからの指示を受けつつ3時間ほど捜索しましたが、見つけることができませんでした。

そして

タンクのエアーがなくなり、私たちの捜索はここまで。

その頃になってようやくレスキューダイバーが到着してました。

こんなに時間がかかるものなんですかね?

結局、その日は発見されず、2日後くらいに海の沖合いで海上保安庁(だったと思う)によって発見されたそうです。

もしかしたら

もっと河口側を捜せばよかたのかもしれませんね。

わからないけど…

さいごに

上記以外にも工場で交代勤務をしていた30代後半のときに、同僚が無断欠勤してそのまま行方不明となりました。

当時の私は夜勤だったので捜索には参加しませんでしたが、夜勤以外のメンバーで捜索した2日間では発見することができませんでした。

結局この時も、偶然通りかかった人が発見してくれたのです。

あと

4年ほど前、年老いた私の父親が診察に来た病院で行方不明になったことがあります。

診療前にトイレに行ったきり戻ってきません。

普段から通っている病院だったので安心していたのですが、私は病院中を捜し周りました。

トイレというトイレを捜し、よく行っていた2階の食堂を捜し…「まさかタクシーに乗って行ったのではないのか?」と不安にかられながら…

1時間ほど捜し周って、ようやく発見したとき、父は正面入口側の総合受付前のイスに静かに座っていました。

病院という限られた場所でもなかなか捜すことができないのですから、外を捜すとなると範囲が広すぎて本当に難しいです。

今回のニュースの件でも後から捜索方法を、「ああすればよかったんだ」とか、「こうすればよかったんだ」と結果論で批難めいたことを言う人がいるけど、捜索する側からしたらどこで発見できるかわからないのだから、可能性のある近場や心当たりのある場所からしらみつぶしに捜してしまうよね。

ホント、人を捜すって大変なのよ!

どうか皆さん、ご安全に!そして日々笑顔で過ごしていけますように…(合掌)

子丑のくり坊
子丑のくり坊

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子丑のくり坊
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